2009年10月23日

「肩車柔道」の終焉?

 噂のIJF新ルールである「立技において、相手の帯より下に、腕または手で直接攻撃することを反則とする。1回目は『指導』、2回目は『反則負け』」が、先日行われた全日本ジュニア体重別選手権大会で試験導入された。

 ただ、実施に際しては、 「相手の技を巧みに返した場合」 「自分の技で大きく崩し、連絡して攻撃した場合」 「小内巻込で腕だけでなく足がしっかり掛かっていた場合」は反則とならない・・・などの細則が附されている。
 
 中学校柔道でも急増する所謂「肩車柔道」「タックル柔道」「足取り柔道」を規制し、しっかりと組み合う柔道への回帰を意図したこの改正で、日本柔道にとっては間違いなく「追い風改正」であると思う。
 しかし、この改正で戸惑いを隠せない選手がおり、チームがあることも想像に難くない。中学校柔道でも「肩車柔道」で勝利を重ねてきた選手がいて、チームがあるからだ。
 無論、この改正は国際柔道試合審判規定(国際ルール)上のもので、講道館柔道試合審判規定(国内ルール)上の改正ではないため、中学生には一見無関係であると考える人がいるかもしれない。しかし、中学校卒業後、高校柔道のスタートを切った途端、国内ルールの試合は数えるほどで、その多くは国際ルールで行われることは言うまでもない。中学生時代までに「肩車柔道」を身につけてしまうと、高校柔道では即反則柔道になってしまう・・・。15歳までに習得した攻撃スタイルを変えることを余儀なくされる。肩車や足取りなどを攻撃の中心に据えた選手にとっては大きな痛手と言える。現に全日本ジュニア体重別選手権大会では、66kg級優勝候補の海老沼匡選手(明治大学2年)は得意の肩車を一度も出せず、精彩を欠いた柔道で敗れている。

 日本柔道と同様、しっかりと組み、技で仕留める柔道を信条とする千代中学校にとっては有利に働くルール改正。これをチャンスと捉え、首尾一貫「千代中柔道」を推し進めようと思うこの秋である。

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Posted by 千代中学校柔道部 at 07:11│Comments(0)監督の呟き「喜怒哀楽」
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